コラム |通関士資格所有の輸出管理・税関事後調査に強い弁護士

中小企業・大学に求められる「輸出管理」とは

「外為法は大企業のための制度」、「大学・研究機関や小規模事業者には関係ない」、このような考えは、非常にリスクの高いものと言わざるを得ません。 実際には、中小企業や大学・研究機関でも外為法の規制対象になる技術・製品を扱う場面が急増しています。 そこで今回は、これらの組織に求められる「輸出管理」についてご説明します。法的責任の所在を明確にし、どこから対応を始めるべきかを見極めることが重要です。 ...

なぜ必要?安全保障輸出管理の歴史的背景と国際的潮流

「なぜ輸出管理がこれほど重要視されているのか?」、これは様々な中小企業や大学・研究機関の担当者の方から寄せられる素朴な疑問です。 そこで本日は、日本の安全保障輸出管理制度がなぜ必要であり、また、どのような国際的文脈の中で運用されているのかを、歴史的な背景も踏まえて解説いたします。 1 冷戦時代に端を発する「輸出管理」の国際的起源 第二次世界大戦後、東西冷戦の時代、西側諸国は共産圏への軍事...

外為法と他法令との関係性~安全保障輸出管理の全体像を正しく理解することの重要性~

安全保障輸出管理は、単独の法律だけで完結する仕組みではありません。 中小企業や大学・研究機関が輸出管理対応を行う上で重要なのは、「外為法」だけでなく、複数の関連法令がどのように連携して機能しているかを正確に理解することです。そこで本日は、安全保障輸出管理を支える法的な枠組みの概要を、外為法を中心にご紹介します。 外為法は「輸出管理」の根幹をなす法律です 外為法(外国為替及び外国貿易法)は...

輸出管理とは?~外為法を順守した輸出の重要性~

近年、安全保障上の観点からの輸出管理が企業、大学・研究機関にとって極めて重要な課題となっています。 特に国際的な緊張の高まりや、先端技術の軍事転用リスクへの懸念等が強まる中、日本においても「外為法(外国為替及び外国貿易法)」に基づく規制、安全保障輸出管理の強化、徹底が求められております。 外為法に基づく輸出管理の制度や実務対応については、ルールの理解、ルールの実践等段階を踏んだ対応を行う必要が...