コラム |通関士資格所有の輸出管理・税関事後調査に強い弁護士

退職技術者による製造ノウハウ持出しと営業秘密侵害への対応

【相談内容】 当社は、精密部品を製造するメーカーです。先日、長年にわたり開発部門の中心メンバーとして勤務していた技術者が、「実家の家業を継ぐ」と説明して退職しました。ところが数か月後、その元従業員が実際には中国の競合メーカーに転職し、高待遇で迎えられているらしいことが分かりました。 不審に思い、社内のアクセスログや端末利用履歴を確認したところ、退職直前に、当社の核心的な製造ノウハウに関する...

少額特例を使う際の実務上の注意点

前回は、半導体製造装置の交換部品を海外へ送る場合に、少額特例を理由として該非判定を省略することはできないこと、また「100万円以下なら常に許可不要」とは限らないことを解説しました。 本日は、少額特例を実際に検討する際に問題となる、金額計算、仕向地、キャッチオール規制、通関時の対応、社内フローについて解説します。  1 少額特例は「契約単位」「項番の括弧ごと」の総価額で判断する 少額特例の金額...

少額特例を理由に「該非判定なし」で輸出してよいのか

半導体製造装置の保守・メンテナンス業務では、海外顧客から「装置が止まっているので、至急、交換部品を送ってほしい」と依頼されることがあります。 送付する部品は、パッキン、特殊ネジ、センサー、バルブ、ポンプ部品、基板、ケーブルなど、見た目には小さく、金額も数万円から十数万円程度にとどまることが少なくありません。 そのため、社内で次のような会話が出ることがあります。 「少額特例があるから、100万...

三国間貿易と外為法の規制

三国間貿易は、物流上は日本を通らないため、「日本の税関を通らない=日本の輸出管理は関係ない」と誤解されやすい取引類型です。 しかし、商流として日本企業が売買契約の当事者となり、外国相互間の貨物の移動を伴う取引に関与する場合、外為法上の仲介貿易取引規制が問題になります。経済産業省も、外国相互間の貨物の移動を伴う売買、貸借、贈与について、事前に経済産業大臣の許可が必要となる場合があることを明...

海外支社と共有しているクラウドサーバーの取扱い

海外支社(ベトナム、中国等)の現地スタッフが閲覧又はダウンロードできる共有設定にした時点で、原則として外為法上の技術提供に該当し得ます。 クラウドのサーバー所在地が日本か海外か、相手が実際にダウンロードしたかにかかわらず、非居住者が利用できる状態に置いたかが判断軸になるためです。 一方で、クラウドストレージについては、保存目的(自ら使用するための保管のみ)の範囲にとどまる限り、外為法第...