コラム |通関士資格所有の輸出管理・税関事後調査に強い弁護士

外為法と輸出管理の基本を理解する ― 国際取引における法務実務の最前線

国際取引が日常化する現代社会において、輸入、輸出に少しでも関係のある日本企業が必ず意識しなければならない法律が「外国為替及び外国貿易法(外為法)」です。 外為法は、国際金融や貿易取引を規律する包括的な法律であり、その中でも特に重要な役割を果たすのが「輸出管理」です。 本日は、外為法の基本的な仕組みと輸出管理の実務上の意味を整理し、企業が違反を防ぐために取るべき対応について解説します。 ...

クラウド・AI・先端技術研究と輸出管理

AI、量子、クラウド、バイオ、半導体等の「先端技術分野」における研究・開発活動は、日々安全保障上の重要性が高まっており、国際的にも輸出管理の重点対象とされております。 一方で、技術の形式が「データ」、「アルゴリズム」、「クラウド上のアクセス権」といった目に見えにくい形態に変化しているため、従来の制度や確認体制ではカバーしきれないグレーゾーンも増えています。 今回は、AIやクラウド等の先端分野に...

共同研究契約と輸出管理~資金源・契約条件のチェックが重要です

外為法に基づく安全保障輸出管理において、技術の提供先や用途を正しく把握することが極めて重要です。その判断を左右する要素のひとつが、「研究費の資金源」や「共同研究契約の内容」です。 特に大学や研究機関では、外国政府や企業からの研究費提供や、国際共同研究契約の締結が日常的に行われており、契約書の内容によっては『みなし輸出』に該当してしまうリスクが高まります。本日は、それらの観点から輸出管理に必要なチ...

大学・研究機関における輸出管理体制の構築

近年、大学や研究機関に対しても、外為法に基づく安全保障輸出管理の強化が求められています。特に、外国人研究者の受入れや国際共同研究、研究過程におけるクラウド利用が進む中で、『学術研究と法令遵守の両立』は避けて通れない課題でしょう。 本日は、大学・研究機関における輸出管理体制の構築ポイントを、他の一般企業とは異なる実情を踏まえてご紹介いたします。 なぜ大学・研究機関が外為法の規制対象となるのか...

経営層の責任とガバナンス強化~輸出管理はトップの意識が重要です~

輸出管理というと「技術部門や実務担当の仕事」と捉えられがちですが、組織の最終的な責任は経営層にあります。実際に外為法違反が発覚した場合、処分対象となるのは企業・法人としての組織であり、その法的責任は経営者に及ぶという点は改めて留意する必要があるでしょう。 経営者は「知らなかった」では済まされません 外為法では、企業が行う輸出・技術提供について、法人全体の責任が問われる構造になっています。違...