コラム |通関士資格所有の輸出管理・税関事後調査に強い弁護士

貨物別に見る規制品目の具体例と注意点その3~部品・素材編~

精密部品や工業素材は、航空・宇宙・軍事・電子分野に転用可能な「デュアルユース(民生・軍事両用)」の代表的なものです。 特に中小製造業が多くを担っている高精度部品・金属材料・加工素材等は、外為法上の規制対象に該当することがあり、輸出時には慎重な該非判定が求められます。 規制対象となりやすい部品・素材の例 外為法のリスト規制では、完成品だけでなく、その構成要素である部品や素材も明確に規制対象...

貨物別に見る規制品目の具体例と注意点その2~化学物質編~

化学物質や化学製品は、その用途によっては大量破壊兵器や化学兵器の開発に利用されるおそれがあるため、外為法による輸出規制の重要分野の一つとされています。 中小の化学メーカーや大学・研究機関が開発・取り扱う製品にも、規制対象となるものが多く含まれており、正確な該非判定の実施が不可欠です。 外為法における化学物質の規制枠組み リスト規制で対象となる大量破壊兵器の原材料や化学兵器の前駆体となる物...

貨物別に見る規制品目の具体例と注意点その1~ハイテク製品編~

日本が誇る先端技術や高精度機器は、世界中から注目されており様々な分野で高い需要を誇っていますが、それらの中には軍事転用の可能性があるものも多数存在することから、外為法における規制を正確に把握することが重要です。 特に、ハイテク製品や電子機器、半導体関連技術は、リスト規制の対象となる可能性が高い分野ですので注意が必要です。 規制されやすいハイテク製品の代表例 ハイテク分野では、以下のような...

輸出品目のリスト規制該当性を判断するための『該非判定』のステップ

輸出管理を実務的に進めるうえで最も基本となるチェックが、「該非判定」です。 これは、自社で取り扱う貨物や技術が、外為法に基づくリスト規制の対象(該当)となるのか、それとも規制対象外(非該当)なのかを判断するプロセスです。 中小企業や大学・研究機関においても、この判断を適切に行わないと、重大な法令違反や不正輸出につながるリスクがあります。 本稿では、該非判定の考え方と具体的なステップについて解...

第三国を経由した技術・貨物の提供はどう規制されるか?

輸出管理の実務では、貨物や技術を直接的に海外に提供するだけでなく、「第三国を経由して」提供されるケースも増えています。 たとえば、A国の企業から依頼を受けてB国に輸出する、あるいは技術を一旦国外の自社拠点に送ってから、他国の顧客に提供するといったケースです。 このような間接的・多段階的な輸出は、意図しない違反リスクを発生させやすく、また、外為法だけでなく相手国の再輸出規制との関係も無視できず注...